019-05

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[[第19回研究会>019]]

*ネットワークを考慮したデフォルト確率の推定方法について [#ic628c8d]

**著者 [#w1007970]
金子拓也(国際基督教大学), 久門正人(フィンテック・ラボ)

**概要 [#qfc3045e]
本研究では、企業などのデフォルト確率(PD)の推定にあたり、ネットワークを考慮する方法を提案する。銀行をはじめとする金融機関での信用リスク管理の方法はおおよそ、個別企業のPDを推定し、アセット相関を利用したシミュレーションで、ポートフォリオ全体の損失分布を得て、ストレスシナリオ下(たとえば裾野1パーセンタイル点)での損失が、自己資本内に収まるかどうかをチェックするプロセスを踏んでいる。企業のアセットの分布を正規分布と仮定するシミュレーション方法は、ガウシアンコピュラと呼ばれ、金融実務では一般によく用いられている。しかしながらリーマンショック以降、正規分布では相関の効きが弱いため、損失の見積もりが甘くなる指摘が高まり、アセットの分布として、よりファットテイルなものに置き換えることで、意図的に同時デフォルトを増やす方法が多数報告されている。これらの方法では、前提として、ある将来の同時点におけるデフォルト現象のみに着目しているが、本研究では、ネットワークを考慮することで、デフォルトリスクの自然な拡張方法を考える。簡単には、従来どおり個別企業のPDをまず計算するが、これに、その企業を取り囲む周辺企業のデフォルトが伝播することで被るリスク(連鎖倒産リスク=追加PD)を加算するフレームワークとなっている。直感的には、風邪をひくリスクとして、個人の自己管理から風邪をひく確率に、まわりの人から感染するリスクを足し合わせる内容となっており、ストレスシナリオとは、満員電車(強い正の相関)に乗車することに相当する。実際の金融データを利用したシミュレーションからは、市場データから得られるPD相当分と、従来のPDに本研究から得られる追加PDを加算した値を比較すると、特に金融危機時において、PDのフィットが高まることが確認された。報告では、本研究のフレームワーク、従来法との相違点などについて説明した後、数値実験の結果を紹介する。

**キーワード [#ja2d6429]
Default Probability Estimation, Firm's network consideration, Credit risk management
**論文 [#b4c3ac51]

//まだありません.

//(10月11日以降に公表いたします)
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