FX市場におけるオートエンコーダの異常検知を活用したポートフォリオ運用 †
著者 †
雨谷暦樹, 川田瑛貴(茨城大学), 田中陸(大和アセットマネジメント), 鈴木智也(茨城大学,大和アセットマネジメント)
概要 †
外国為替市場には主にキャリー,バリュー,トレンドという3つのファクターの存在が知られているが,為替市場の構造変化によって各ファクターの有効性は変化する.そこで本研究では,オートエンコーダを動的に再学習することで,市場を形成するファクターをデータドリブン的に抽出する.さらにオートエンコーダによって復元された為替レートをファクターによって形成された理論値とみなし,実現値との乖離を参照することで異常度を算出する.この異常度は市場のミスプライスを含む可能性により,この修正過程を想定した売買ポジションで複数の通貨ペアによるポートフォリオを構築する.実データにより本運用方法の妥当性を検証した結果,オートエンコーダの活用により従来のファクターモデルでは抽出できない超過リターン(アルファ)を獲得できる可能性を報告する.
キーワード †
オートエンコーダ, 異常検知, ファクターモデル, ミスプライシング, FXポートフォリオ運用