SIG-FIN-018-20

2017-03-21 (火) 11:25:46 (154d) | Topic path: Top / SIG-FIN-018-20

第18回研究会

深層生成モデルによる時系列ネットワークの低次元埋め込み

著者

円道滉一郎(神戸大学大学院 システム情報学研究科),江口浩二(神戸大学大学院 システム情報学研究科),羽森茂之(神戸大学大学院 経済学研究科),金京拓司(神戸大学大学院 経済学研究科)

概要

現実世界には,人間関係や企業間の関係などといった,ノードとリンクで構成されるネットワークで表現できる関係データが数多く存在する.それらの関係データをネットワークで表現することで計算的な解析が可能となる.解析を行うためにネットワークにおける潜在的な構造を学習する必要があるが,その有効的な方法の1つとしてネットワークを低次元空間に埋め込むアプローチ(以下,「ネットワーク埋め込み」と呼ぶ)が用いられる.ネットワーク埋め込みを行うことによって得られた表現を解析することで,コミュニティの検出や未観測の関係性の有無の予測などを行うことができる.今日まで提案されてきたネットワーク埋め込み手法は浅い構造を持つモデルが多く,複雑なネットワークを十分に捉えることが困難であった.そこで,深層構造を持つことで高度非線形なネットワーク構造を捉え,ネットワークの局所的な構造と全域的な構造を保存することができる構造的深層ネットワーク埋め込み(Structural Deep Network Embedding: SDNE)というモデルが提案された.SDNEは深層自己符号化器と呼ばれるディープラーニングの枠組みのモデルに基づいており,ディープラーニングがデータの複雑な構造を捉えた有用な表現を学習することで近年注目されていることが考え出された動機となっている.本論文では,自己符号化器である生成的確率ネットワーク(Generative Stochastic Network: GSN)を用いて,ネットワーク埋め込みを行う.GSNでネットワーク埋め込みを行う際,ネットワークデータの構造を捉える枠組みはSDNEと同様のものを使用 する.GSNは学習の中でノイズを用いることにより,データの頑強な潜在的特徴を捉えるモデルである.そして,埋め込みを行う対象のデータとして,時系列ネットワークに着目する.時系列ネットワークの表現を学習する際に時区間の間の依存性や過去の傾向を考慮するために,過去のデータを用いて学習したパラメータを現在のネットワークを学習する際に用いる時系列プレトレーニングを行うことを提案する.本論文では,時系列ネットワークとして銀行間の取引を表した金融データを扱い,月ごとの取引をネットワークで表現した時系列ネットワークの分析を行った.実験では,銀行間の取引の有無のみを考慮した場合と取引の金額まで考慮した場合の2つのネットワーク表現を扱う.そして,ネットワーク表現の再構築と未観測の関係性の予測という2つのタスクで手法の性能を評価し,時系列プレトレーニングを行うことの有効性を示す.

キーワード

ネットワーク埋め込み,ディープラーニング,時系列ネットワーク,金融ネットワーク

論文

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